今日は月が見えなくて、真っ暗な夜だ。
いつも繋がる君に電話は繋がらなくて、いつもは聴かないラジオなんて聴いたりして、手の中にある携帯をぼんやり眺めていた。
きっと電話はかかってこないだろうけれど、こうしていると君と繋がっている気がして、何処か安心した。
そして君もこんな気持ちだったらいいなと思ってしまったりして。
君は僕がいないと駄目だと言うけれど、きっと君がいないと駄目なのは僕の方。
僕の体も心も君色に染まっているんだろう。
君のことを想うだけで、君の声を、笑顔を思い出すだけで、こんなに幸せな気持ちが湧いてくる。
こんなのは、こんな想いは君と会うまで知らなかった感情なんだ。
辺りは闇に覆われてこの世界に僕一人のような、そんな孤独を感じているのに,携帯を握りしめるだけで一人じゃないって分かる。
僕には君がいるって、そんな変な確信が自分の中に生まれるんだよ。
君も同じなら良いのに。
君もそう思ってくれればいいのに。
今度会ったら君を抱きしめよう。
君の鼓動が聞こえる位、力いっぱい。
君はきっと赤い顔をしてもがくけど放してなんかやらない。
君の中に僕が残るように、僕の中に君が残るように。