君を飾る花を咲かそう。

そうだな、何がいいだろう。


可憐なバラ。

大輪のヒマワリ。

清楚なカスミソウ。

どんな本にも、どんな図鑑にも君を飾る花がない。

どれもピンとこないよ。

どんな花も君を表現することが出来ない。

君を表せる花なんてないのかな。

うーん。

悩んでいたら君が言ったんだ。

「1つでダメなら色んな物を併せればいいよ」

……その案はなかったな。

いつも君は僕の考え付かない事を教えてくれて、知らない世界を見せてくれる。

まるで君には底がないみたい。

凄いな、自分が小さく見えるよ。

そう苦笑したら、君はきょとんとして

「何で?貴方の方がいっぱい色んな事知ってるじゃん」

って首を傾げるからそれが可愛くてまた笑ってしまった。



君を飾る花を咲かそう。

色とりどりの花を。

そしていつかそれを花束にして君に。




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