最近話していなかった反動か話題は尽きなかった。

そこに最近のとげとげしい感じはない。

しかし、いつもより少し広い微妙な距離が空いたまま2人は分かれ道にさしかかった。

「じゃあね」

「…お、おぅ」

彼女は背を向け自分の道へ進んでいく。

言え、今言わなきゃきっと一生言えないままだぞ。

「おっ、おい!!」

おっ、言うか、言うか?

「何?」

「暗くなってきたから送っていってやるよ。最近物騒だしな」

「気持ち悪い。明日は槍でも降るかな」

「嫌なのかよ?」

「全然」

まあ、そのまま帰すよりは良いだろう。及第点ってところかな。

さっきより少しだけ2人の距離は縮んで夕日の方へ歩いていく。

無言のまま程なくして彼女の家の前まで辿り着く。

「じゃあ、また明日ね」

「あっ、おぅ」

彼は門扉を押して入っていこうとする彼女の腕を言葉とは裏腹に掴んだ。

「何?」

「いや、えっと…その…」

いつもと違う彼の雰囲気に彼女は何かあることを察知したらしかった。

「どうしたの?」

本当だよ、とっとと言っちまえ。

「じゃあ……俺と…つ、付き合わないか」

「えっ!?」

やっと言ったよ。ちゃんと覚えてたんだな、偉い偉い。

「ずっとスキだったんだ。俺じゃ駄目か?」

「何で…」

「えっ?」

「何でもっと早く言ってくれなかったの?」

「えっ!?」

今度は男が驚く番か。

まぁ、お互いに片想いだと思ってた訳だしな。

「あんたに止めて欲しくて告白された時相談したのに。
付き合えばいいなんて言うから、ただの友達にしか思われてないのかと思った」

「ごめん。でも、じゃあ返事は…」

「もちろん。こっちからお願いしたい位よ」

ようやくこの日が来たか。

思えば長かったな。

それにしても今回彼氏は頑張った方じゃないか?

彼女からの告白もありかも知れないけど今回に限っちゃ俺的には無かったからな。

本当はもっと前にチャンスは沢山あったけど、まあこれだけお互いに照れ屋で挙げ句の果てに鈍いからな。これですら奇跡な気がする。


キューピットが手を貸したんだ。

末永くお幸せに。




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