「で、何をやっているのかな?君は」

「ん?…うーん。誘惑?」

「どこが?」

「わかんない?」

「全く」

「…バカ。もういい」



彼女はそう言ってそっぽを向いた。

ふぅ。

また、どっかの本でも読んだんだろうけど、別に俺は…



「こっち向けよ」

「やだ」

「いいから」

「いや」

ふぅ。

しょうがない。

ちょっと強引だが。

俺は後ろから肩を掴んでこっちを向けさせた。

そして、片手で彼女がかけていた眼鏡を取りあげる。

「あっ!?」

彼女が何か言う前にそのままキス。

「お前、目良いんだし、眼鏡は要らないよな?」

「でも…」

「かけなくていいから。」

「だって…!本に…」

「いいから。別にそんなものなくてもお前は可愛いから」

「ふぇ?」

「分かったか?」

無言で頷く彼女の頭を俺は撫でた。

「分かればよろしい。邪魔だろ?そんなもん」

「邪魔?」

「こうするのに…さ」

そして、もう一度俺は彼女に口付けた。




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