「ちょっと返してよ」
「ダーメ」
「眼鏡ないと困るんだから」
「知ってるよ」
「じゃあ、意地悪しないで返して」
「だから、ダメだって」
「お願い…あうっ」
「本当に見えないんだね。大丈夫?」
「誰のせいよ、誰の」
「オレ」
「分かってるなら…」
「ダメ」
「どうしてよ?」
「自分で考えなよ」
「そんなこと言ってもこんな意地悪、身に覚えがないわ」
「本当に?」
「ほ…本当よ」
「じゃあ、これなんだ」
「ん?…それ!!返して!!!」
「何でオレの写真が?」
「そっ、それは…でも、嫌ならこんな嫌がらせしないでキモいって言えば良いじゃない!」
「オレのことスキなの?」
「なっ…何でそうなるの?スキじゃないわよ」
「じゃあ、これはいらないね」
「それは!!…いらないわよ」
「素直じゃないなぁ。言っちゃいなよ?」
「…分かったわよ。……スキよ。だから何?こんな嫌がらせされる理由なんかにはならないわ」
「真っ赤になって可愛いね。そういう所もスキだよ?」
「はあっ?」
「だから、オレも君が好きだよ。意地悪してごめんね。でも、そうでもしないと君の気持ち聴けない気がして。はい、眼鏡」
「あっ…ありがとう。…なんだ。貴方も人の事言えないじゃない。真っ赤よ」