今日も今日とて進展なしの2人を眺めている。
何か事件とか起きない限り永遠にあのままだな。
でも、そう簡単に起きる訳無いか。
これで起きたら本当に運命とか言う奴も信じたくなりそうだ。
そう思っていたある日、事件は本当に起きてしまったのだ。
彼女が体育館裏に呼び出されたのだ。
「付き合ってるって本当ですか?」
「まっ、まさか。付き合ってないよ」
「じゃあ、僕と付き合って下さい」
彼女のとっては青天の霹靂だっただろう。
沈黙が場を包む。
「…駄目…ですか?」
「いや、駄目じゃないんだけど…急にそんなこと言われても困るって言うか、なんて言うか、上手く言えないんだけど、ちょっと考えさせて」
「…わかりました」
そう言って2人は別れた。
さて、これが吉と出るか、凶と出るか。
どっちにしても面白そうだ。
その3日後、毎日のように通っていた旦那が珍しく来なかった。
周りは動揺…するわな、確かに。
俺は何故か知ってるけど。
「喧嘩でもしたの」
そう言う友人の声に彼女はふてくされたように言う。
「しらない、あんな奴」
真相はこうだ。
彼女は考え倦ねいた末、幼なじみの彼に相談した。
「告白されたんだけど、どうしたらいいと思う?」
すると返ってきたのは、
「付き合えばいいじゃん。こんなチャンス滅多にないぜ」
「そう言うこと言うと本当に付き合うよ、良いんだね?」
「もちろん。お前のお小言が聞けなくなると思うと清々する」
後は売り言葉に買い言葉。
見てるこっちがはらはらする。
さて、この2人本当にどうなる事やら。