「ほら旦那が来たよ」
「そんなんじゃないってば」
そう言いながら女の子は教室の出入り口で立っている男の子の方に走っていく。
「これ、昨日借りたノート。今日あるだろ、授業?」
「あっ、うん。ありがとう」
「「………」」
そしてタイミング良く鳴るチャイムの音。
「じゃ、俺行くわ」
「うん」
先に言っておこう。この2人付き合っていない。
付き合うどころかお互いに告白すらしていない。
そしてよくある幼なじみ設定。
一緒にいるのが当たり前過ぎて自分の気持ちに気付くも今の関係を壊したくなくて告白出来ないと。
まぁ、よくあるパターンだな。
俺?俺のことはどうでもいい。しがないキューピッドとでも思っててくれ。
キューピッドならとっととくっつけろって?
バカだなぁ、自分たちで勝ち取ってこその愛だろ。
何で俺がそんなめんど…げふん。
まあ、そんな訳で俺は2人の恋の結末を見守ってる訳だ。
このカップル(俺的にはくっつくこと前提)結構長く見てるけどいっこうに先に進まない。
周りはみんな分かっているし、付き合ってると思ってる奴もいる位なのにご当人達だけが分かってない。
片想いだと思ってる。
いい加減くっつけって。
まぁ、基本的に俺は見てるだけだけど。